『ロリヰタ』(嶽本野ばら) [本・漫画]
それから『シシリエンヌ』を読み、「隠微で耽美」な世界だなあとタメ息をつき。
ほかの作品も読んでみようと思っていたところで、この文庫を発見。
好みは分かれるでしょうが、「この人にしか書けないだろう」と思える世界を提示してくれる点で好ましいし、自分の得意分野(詳しい分野)を舞台にして、人生や人間に対する考え方を伝える手法は、わかりやすくて悪くないと思う。
私はロリータファッションに興味はないけど、ヨージ・ヤマモトやコムデギャルソンが好きなので、共感度がやや高いのかも。
ちょっと「ありえねーだろ」みたいな部分もありますが・・・私は好きだな。
「この手法には飽きました」な感じでした。
『秘密の花園』(三浦しをん) [本・漫画]
どうしたって等身大では読めない・・・高校生、せめて大学生の時に読みたかったなあ。
『実りを待つ季節』(光野桃) [本・漫画]
自分が娘だった時代を中心に、家族の思い出を綴ったエッセイなのだけど、自ら「生意気な娘だった」と書いている。
『心ひだひだ』(室井滋) [本・漫画]
『吉田自転車』(吉田戦車) [本・漫画]
『吉田電車』(吉田戦車) [本・漫画]
吉田戦車さん。有名な『伝染るんです』はあまり好きじゃなかったのだけど。
『一生懸命機械』で私的に大ブレイク。
「こ、この感性は只者ではない!」
涙がでるほど笑った漫画は、そうそうない。以来、気になる漫画家さんの一人。
とはいえ、これは漫画ではなく、Web現代に連載していたエッセイをまとめたものなのだが、もーう、くすぐられまくり。
毎回、どこかしらの電車に乗る旅道中をおもしろ可笑しく書いている。
たとえば、ユニクロのジャケットを着てサッカー場に向かう途中で。
同じ車内に、同じ年代のオヤジ2人が、自分と同じジャケットを着ているのを見て猛烈に恥ずかしくなるんだけど。
そこで、「惑星直列みたいだ」って。
そんな言葉が出てくるあたりがたまりません!
言葉の選び方というか、思いつく台詞というかが物凄く好みにあっている。
面白すぎて、あっという間に読めてしまったのが残念。
★★★★★★★★☆☆ 8点
この前に出された下記の本を、即効買いに行くつもり。
『友がみな我よりえらく見える日は』(上原隆) [本・漫画]
すっかり忘れていましたが、ブックオフで目にした途端に思い出した。
出てくる人たちは、皆、流行り言葉で言うところの「負け組」に属するような人で、それぞれ傷を負っているのだけど。
「こういった状況にある自分」をきちんと把握し、そのあり方を模索し、たくましく生きている、生きようとしている。苦しさや辛さがすけてみえても、投げやりな点や、いじけた感じはしない。だから、読んでいて苛々したり、うんざりすることはない。
どうやって、凹みがちな気持ちから脱出するか。
ここに記された複数人の生き方から、考え方から、少し学べた気がする。
『帰れぬ人びと』(鷺沢萠) [本・漫画]
『町へ出よ、キスをしよう』(鷺沢萠) [本・漫画]
- 作者: 鷺沢 萠
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1993/05
- メディア: 文庫
古い本なので、イメージがないのかな。古本屋で買いました。
鷺沢さんのエッセイ、好きなんだけど、この本には若い時の文章も多く含まれていて、時代を感じる、懐かしい内容もちらほら。
軽快さは当時から変わらないんだなあ、なんて思いながら読んだ。
最後の方に、本や映画の感想が書かれていて、鷺沢さんが、雑誌「生本」に掲載していた映画エッセイを愛読していた者としては、「おお、こんなところに萌芽が!」と思ったり。映画のことを書きながら人物評のようになったり、あっちこっちに寄ってしまう、偏愛に満ちた文章が好き。
インディジョーンズの4が作られているという話を聞いた時、最初に思ったのは「鷺沢さんなら何て書くだろう」だった。
惜しい人を亡くした・・・本当に。
★★★★★★☆☆☆☆ 6点