『14歳』@渋谷ユーロスペース [映画・DVD]
予告編を観た時から、想像はついていたけれど。
観終わって、どっと疲れた作品だった。がっかりはしなかったけれど、後味は、想像通り良くない。
かつて14歳だった二人の男女、現在26歳の深津と杉野。
深津は現在、中学校の教師をしており、まさに日々、14歳の生徒たちを相手にしている。
出てくる生徒たちは、それぞれ問題を抱えている。主に「関係性」において。
親との関係、教師との関係、男女の関係、女子同士の関係。
時として、観ているこちらが「痛いだろ!それは」と思うような言葉を、平気で口にする。
映画を観ていると「いまどきの14歳ってみんな問題ありか?」と思ってしまいそうだけど、そういうことではなく。「ごく普通の生徒」では、映画になりませんからね。
訴えかけてくるものはあるのだけれど、自分が14歳だった頃とあまりに違う世界なので、正直よくわからない部分も多い。「可愛いな」と思えたのは、ピアノ好きな男の子を好きになって、否定されて悲しむ女の子ぐらいで、あとの子たちは皆「気味が悪い」し。
先生をいじめたり、むやみに反抗的だったり、ケンカばかりしていたり、親にべったりだったり、嘘つきだったり。こういう子たちがいることは知っているけれど、関わりたくないな、正直。親も先生も大変だろうな。
出口が見えないような状況の中で、杉野が言う台詞はカッコイイけれど、私には言えそうにない。
相手が子供(14歳はまだ子供だと思う)でも、一人の人間としてきちんと向き合う、全力で向き合う。
たとえ、全然好きになれない相手であっても。その大変さを考えさせられた。
それはきっと、相手が大人でも同じこと。「人と真剣に向き合う」にはエネルギーがいる。犠牲もいる。
「一人の人間が真剣に相手にできる人数は限られている」という、カウンセラーの方の言葉を思い出した。私は・・・相方だけで精一杯だわ。
余計なひとこと。
香川照之さんが教師役で出ており、どこぞの雑誌だかチラシだかに「『ゆれる』を越える演技」とかかれていましたが。 「それはない!」と書かせていただきます。
<一番心に残ったシーン>
杉野が、自分がかつてピアノ教師に言われて傷ついたことを、言葉は違うけれど、現在の教え子(本業は別だが、頼まれてピアノの家庭教師をしている)に向かって言ってしまう。深津と焚き火にあたりながら、それを悔いて「(14歳の頃のことを)忘れちまうのかなあ」と涙するシーン。
<公式サイト>
http://www.pia.co.jp/pff/14sai/
う~ん。
14歳ってそういう映画だったのか-。
「檸檬の頃」とは違うみたいですねえ。
その「檸檬の頃」、確か今週末までだわ。
レイモンドさんが見に行くと宣言していたけど、私はこれまた金曜で上映終了の「GOAL2!」をまず見に行かねば、なのに残業は果てない・・・・。うううう。修行か?
by 玉手箱 (2007-06-05 21:24)
見る気もなかったけれど、これ読んで十分な感じです。
難しそうですね。
by らいみ (2007-06-05 21:32)