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『いつか読書する日』@渋谷シネマアンジェリカ [映画・DVD]

いつか読書する日

いつか読書する日

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2006/02/24
  • メディア: DVD
 
 
「大人の純愛物語」なんだと思う。淡々としていながらも、訴えかけてくるものがあった。
オープニングは、主人公の美奈子が中学時代に書いた作文。「私は大人になってもこの街で暮らす」という内容の。その通りに、美奈子は50歳になった今でも、坂の多い、生まれ育った街で、一人で暮らしている。
早朝の牛乳配達。朝食を食べながら、新聞に出ている「本の広告」を切り取り、自転車に乗ってスーパーに仕事をしにでかける。買い物をして帰宅し、本を読んで眠りにつく日々。
同僚や、亡き母の親友で、夫を介護しながら文章を書いて暮らす敏子とのやりとりもあるが、平凡でぱっとしない日々の繰り返し、のようにも思える。
けれど、美奈子はそれを受け入れており、敏子は、そんな美奈子を歯がゆく思っている。
美奈子には、高校時代につきあっていた槐太という彼がいた。
が、それぞれの母と父が、(どうやら不倫の関係にあって)自動車事故で亡くなったことから、疎遠になってしまい・・・でも、美奈子は今でも彼が好きなのだ。
彼もまた、同じ街で市役所勤めをしているが、独り者ではない。病気でもうすぐ死ぬことを自覚している妻がおり、彼は献身的に妻の介護をしている。
そう広くもない街だが、二人は意識して(?)、すれ違う日々を送っている。
ところが、槐太の妻が、二人の気持ちを知り、「自分が死んだら、どうか一緒になって欲しい」と頼むのだ。
二人の想い。槐太の妻の想い。敏子の、ボケた夫への想い。どれも、切なくて、優しくて、深い。
こういう気持ちの描き方は好きだな。淡々と、でも、人格がにじみでている演技の田中裕子と岸辺一徳。
芸達者。脇を固める皆さんも、それぞれ良い味だしてます。
悲しいラストは「どうして?」って思っちゃうけど、考えようによっては悪くない。
幸せの絶頂での死って、そう悪くないと思うから。
「あー面白かった!」という気持ちにはならなかったが、心に沁みてくる小品だった。
 
★★★★★★★☆☆☆ 7

<一番心に残ったシーン>
槐太の妻(仁科亜希子)が、死を前にして、美奈子を自宅に呼ぶため、牛乳配達のボックスにメモを入れるために、点滴をつけたまま歩いていくシーン。実際に可能なのかはともかく、鬼気迫るものがあった。

<公式サイト> 
http://www.eiga-dokusho.com/


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