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「涙のカツアゲはできても、笑いのカツアゲはなかなかできない」 [雑誌・フリペ他紙媒体]

雑誌「TITLE」2月号の「みうらじゅんインタビュー記事」より。
「史上最愛のDVD大作戦!」なんてタイトルだったから、思わず買ってしまった。
あまり一般的とはいえないゲストたち。
推薦DVDのラインナップも、大変個性的でいけてる。
ごくごく一般的なラインナップなんてのは、ネット上にいくらでも溢れているから、こういう斜に構えたような内容こそ、雑誌で読みたい。

黒沢清さんが選んだ「クライム・ムービーDVDベスト5」なんか、全然知らない作品ばかり(笑)
TITLEの想定読者は内容からして男性だと思われますが、こういう特集は、女性誌よりも男性誌の方が面白い。
CREAもELLEもFRAUも、映画特集の時はチェックするけど、だいたい王道な感じ。(FRAUは一部面白い切り口だったりするけれど)

で、みうらじゅんさんのインタビュー。3Pほどなんですが。
(以下、引用)

「最近、泣けることを売りにした、涙のカツアゲ映画多いよね」からはじまって。
「わざわざ(泣きのカツアゲに)修行に行ってる」
「もうハンカチ親父だよ」
「泣き映画のエンディングは声が高いヤツが多い」
「世の中的には、「涙」が頂点で「バカ」が一番下にいる」
チャールズ・ブロンソンの話題になって、
「ブサイクな奴が涙を我慢しているってのがいいんだ」
こういった感じで、抜書きしたくなる言葉が並び。

タイトルにした言葉は、「笑わせることの方が、泣かせることよりもずっと難しい」ということで。
映画も、「ただスポットで泣かせるよりも、笑かして笑かして最後に泣ける映画ってすごいじゃん!」と。『サボテンブラザーズ』に代表されるような、そういう映画が好きだと。

(もっと抜書きしたい言葉があるけど、引用終わり)

んーわかる! とってもよくわかる!
私は『サボテンブラザーズ』も、他にタイトルのあがった2作品も観ていないけれど、昨年観た『トンマッコルへようこそ』にどうして感動したか、どうして「すごく良いから」と人に勧める気になったかが、この言葉で腑に落ちた。

泣かせ映画って、その時は気持ちが良くて、感動した気になることもあるけれど、実のところあまり深くは残らない。わざとらしいと冷めちゃって泣けもしないし、すぐ出る涙は信用できない。
むしろ・・・そう、笑わせておいて、深刻な事態なのに笑わせておいて。
最後に、決して悲劇的なだけに終わるのではなく、希望を見せつつ、その奥底にある惨い、悲しい、人間の業のような部分を覗かせる。
そんな作りの作品が好きなんだな、自分。

みうらじゅんさん、万歳!
言葉選びが好ましい。書いている内容の流れ方も好ましい。
平易な話し言葉の羅列なんだけど、「そうそう、そうなのよ!!」とずーっと相槌をうっていた。
この3Pのために680円払ってもいい!と思いましたさ・・・


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コメント 2

玉手箱

なるほど!勢いのある、というか魂のこもった言葉だわ-。みうらじゅんさん、糸井さんのほぼ日新聞HPにも登場してましたっけ?
by 玉手箱 (2007-01-06 11:00) 

岩飛筆銀

みうらじゅんさんのすべてが好き、なわけでもないんですが。
波長が気持ちの良い人だと思います。
糸井さんの新聞は、わかりません・・・読んでいないもので。
by 岩飛筆銀 (2007-01-08 21:45) 

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